令和6年11月16日(土)に、特別支援教育コーディネーター(「育ち」のスーパーバイザー)にお越しいただき開催しました。この取り組みは、子どもの特性の理解や望ましい関わり方などについて、保護者の方々と共に学び、学んだことが子ども達の幸せに繋がったらという思いから令和4年度から年に1回開催しています。
今回の保護者向け講話は、「感情に寄り添う ~教える前に、まず、共感~」というテーマで、90分間お話しいただきました。
(※個人的にお預かりした質問については、後日講師より個別に回答をお渡ししました)

講話内容
- 「タイプ分類」…ADHD、LD、ASD等特性。HSP。
- 「この状態からどんなタイプを想像する」
- 「愛着障害の対応」
- 「発達障害とは」…発達障害は、発達の道筋の乱れ、発達の凸凹。正常か異常かの2軍に分けるのではなく、個性の延長として考える必要がある。
- 「感覚過敏の僕が感じる世界」
- 「視覚過敏」
- 「聴覚過敏」
- 「嗅覚過敏」
- 「味覚過敏」
- 「触覚過敏」
- 「五感以外の過敏」
- 「相貌失認」
- 「こだわりエピソード」
- 「時間の感覚は異なる」…時間の捉え方はそれぞれ違う為、「ちょっと待って」「あとでね」の伝え方では難しい。
- 「見えない言葉」…行動:優しい、しんせつ、おりこう、ちゃんと、きちんと、しっかりや、距離:すぐ、早く等は絵に描くことが出来ないため、イメージすることが難しい。
- 「単語から文になる時の難しさ」
- 「言葉と感情」
- 「二次的に発生する問題が起こる仕組み」…無理解による不適切な対応(否定的評価、叱責、制止等)から、”騒ぐ”、“物にあたる”、“落ち着かない”、“離席”、“乱暴”等の二次障害に繋がる。
- 「二次障害予防キーワード」…自己肯定感をあげることが大切だが、それをあげる為には、自ら味わうこと+他者からの称賛で身につく。
- 「分かりあいと分かち合い」
- 「ゲーム依存から守る」…オンラインアクションゲーム、興奮・自信の獲得に繋がる効果もあるが、孤立と懲罰で依存が悪化する。無理に取り上げるのではなく、環境の改善が必要。... など。
- 「まとめ」… 様々な診断や分類があるが、まずは感情に寄り添い子どもが「大切にされている」と感じるような指導をすることが大切。発達に偏りのあるタイプは、感情優先なタイプが多い。本人が困ったり、損をしたりすることに気付かせることが大切。「行動の背景には理由がある」ので、理由を想像することは大切。寄り添いながら指導を行っていくことが大切。
- 「大人もゆとりが必要」…幸せ脳になるには、自分と他人を比較しない、自分と周囲の幸せを願っている、自分の長所を知っている、SNSと距離を置いている、不必要な情報は遮断する等が大切。 など。

座談会

講師がコーディネーターとして参加された保護者から、様々な悩みや困っていること、質問などを引き出され、起こっている現象や質問に丁寧に解説や先生ご自身の考え方をお伝えすることを中心に進めていきました。
また、保護者同士の体験談等を交え、横の連携も図れる時間になりました。
参加された方々から、感謝の言葉をたくさんいただきました。お忙しい中、ご参加くださり、ありがとうございました。
講話感想など・・・
- 人それぞれ感覚が違うという話が興味深かった。
どうしても親目線で叱ってしまうこともあるので、紹介された話し方を参考にしたい。 - 「対話が大事」。
ついつい決めつけて怒ったりすることがある。
まずは、なぜそうなったのか本人の話を聴くことを意識したいと思った。 - 先生の話は,昨年に引き続き、聞いていて興味深く・楽しかった。
- 最近、子どもの反応や対応に困っているタイミングで今日の話を聞くことが出来て良かった。
- 親自身の関わりを見直して、まずは子どもの気持ちや思いに寄り添ってみたいと思う。
- 先生の話を聞いて、我が子の置かれている状況を思うことでした。
二次障害が生じているような気がしました。関係機関との向き合い方に悩みます。 - 講話の途中で、「感じ方」「捉え方」の体験などが入り、分かりやすく納得しながら聞くことができた。
- 自宅でも参考に(まねしながら)関われたらいいなと思える点も知るきっかけとなった。
- 我が家での発言や行動に対して振り返る機会となった。ありがとうございました。
- 今回は、体験されたことについてのお話が織り交ぜられており、「発達」について、もっと知りたいと思った。
- 「寄り添う」という言葉や内容に、とても惹かれました。
- ついつい職場で意識している「共感」をメインに関わりを考え意識してきたが、今日の話を 聞いて「寄り添う」事を視野に入れた子育てをしてみようと思った。
ありがとうございました。
座談会 感想
- 親として、子どものメンタル面を守れるかが課題だったので、今日は参加して良かった。
ただ、深刻な雰囲気にしてしまったのでは?と心配にもなった。 - 他のご家庭の様子を聞くことが出来て参考になった。
場所が少し緊張したので、慣れた場所での開催を検討していただけたら。 - 他のご家庭のお話を聞くことが出来て良かった。
- こういう機会で話せたこと、共感していただけたこと、アドバイスをいただけたことが有り難かった。
- 保護者同士で色々と話が出来て良かった。
- 同じ性別の子どもに対する悩みを出し合えたことで、悩みの共感や声かけの仕方を知るきっかけになり、学びが多かった。
職場でも生かしていけそうなヒントをいただきました。
