発達がゆっくりなお子さんに対して、
「お母さん、たくさん褒めてあげてくださいね!」など言われたことがありませんか?
しかし、
- 褒めてるつもりだけど、これ以上どう褒めたらいいの?
- 褒め方がわからない、どうしたらいいの?
- 褒め方のバリエーションがない
- 甘やかすだけなのでは?
- 褒めたらいいことは知ってるけど、毎回は大変・・・
など、疑問や不安に感じたことはないですか?
実際、育ちを利用されているお子さんの親御さんからも「病院へ行ったら、たくさん褒めてくださいと言われました。どう褒めたらいいですか?」など、褒め方や声のかけ方についてご相談を受けることがあります。
今回は、発達がゆっくりなお子さんをなぜ褒めることが大事なのか、その理由と褒め方のコツをお伝えします。
褒めることの大事さ
ちょっとしたことでも不安や緊張が強くなる、自己肯定感が低く自信がない、新しいことにチャレンジするのが難しいなど、発達がゆっくりなお子さんに多くみられます。
これらは、実は元々の脳の特性が関係していることが研究で分かってきています。
私たち人間は、褒められたり、スキンシップをとったりすると脳からオキシトシン(幸せホルモンのひとつ)が分泌されます。
しかし、発達がゆっくりなお子さんは普段からオキシトシンが出づらいことが研究でわかってきています。
そのため、不安や緊張が強くなったり、自己肯定感が低くなってしまうお子さんが多いのです。
そして、脳の特性により、日常生活で「失敗体験」を重ねている可能性があります。
例えば、
- 少しでも嫌なことがあると友だちを叩いてしまい、先生にいつも怒られる
- 席を立って走り回ってしまうため、先生に怒られる
- お友達と違うことをやってしまってお友達に笑われた
- いつも「なんで他のお友達はできるのにあなたはできないの?」と言われてしまう
など、表には見えない不安や失敗体験、周りと比べられることで、新しいことへチャレンジすることが苦手になっている場合があります。
「褒める」ことで、「できた!」「自分にもできるんだ!」いう気持ちが育ち、「もっとやってみたい!」「褒めてもらいたい!」などチャレンジすることへの前向きな気持ちが生まれやすくなります。
「褒め方」のコツ
それでは、お子さんをどのように褒めたらいいのでしょうか?
中には褒められているのに褒められていると感じていないお子さんもいます。
具体的にどんな褒め方をしたらいいのか?
褒め方のコツを5つご紹介いたします。

1.具体的にやったことを伝えよう
「すごいね!」「やったね!」と褒めることももちろんOK!ですがそれ以上に具体的にやったこと、つまり事実を伝えます。
例えば、
- ごはんを全部食べた→「ごはん、全部食べられたね!」
- 靴を並べた→「靴を並べたね!」
など、お子さんができた行動に対して具体的に伝えます。
一見褒めてないのでは?と感じますが、そうすることで「認められている」「見守られている」と感じ、お子さんの自信につながります。
そして、次もやってみようという意欲に繋がりやすくなります。
2.すぐに褒める
良いことをしたらすぐ褒めてあげましょう。
褒めるのが後になればなるほど、効果が薄くなってしまいます。
できるだけすぐ褒めることで「◯◯したから褒められた」と、自分がなぜ褒められたのか、意義付けがしやすくなります。
当たり前のことでもすぐに褒めてあげましょう。
3.結果だけでなく、取り組もうとする姿勢や過程を褒めよう
誰かと比べる、評価(結果)に沿った褒め方はNG!親である私たちはついつい「1番だったね!」「今日のテスト、100点だったね!」と褒めがちです。
その気持ちは痛いほどよく分かります。
しかし、結果や評価をを重視した褒め方をしすぎると、できる自分は褒めてもらえるけど、できない自分はダメなんだと思うようになってしまいます。
なので、例えばお絵描きであれば「この部分、とてもよく描けてるね」など、どこがいいのか具体的にほめる、テストでいい点を取ったら「お勉強頑張ってたものね」と結果ではなくお子さんが取り組んだことや努力したことを褒める、など過程を大事にして褒めてあげるようにしましょう。
最後までできなくても、「ここまでできたね」、「がんばって取り組めたね」「この◯◯が上手にできているね」など、取り組む姿勢や過程を褒めることで、「次は最後までチャレンジするぞ」「これはできたんだ、嬉しい」など、自己肯定感を上げることにつながりやすくなります。

4.褒め方に変化をつける
お子さんによっては、褒められて嬉しいと感じにくいこともあります。
ハグや笑顔、ハイタッチなど、言葉以外でも身体を使った強くてわかりやすい刺激が効果的です。