言葉の発達が遅い、、、どうして言葉がでないの?

言葉の発達が遅い、、、どうして言葉がでないの?

令和6年5月から言語聴覚士(以下ST)の質問コーナーも開始することになりました。
初回は、よくいただくご相談の1つの「言葉がでない、言葉が遅い」についてお話をしたいと思います。

言葉がでない要因として、聞こえ等の身体機能障害、人への興味・関心が低い、理解している言葉が少ない等様々なものがあります。

その中でも言葉を育むための土台として大切なものが、「人への興味・関心」になります。
そこで今回は、「人への興味・関心」を促すために育ちの療育活動の中でSTが意識していること少しお話していきます。

子どもが好きな物、興味のあるものを大切にする

例えば、子どもが部屋のドアの鍵が好きで、鍵に夢中になっている時に、大人が「〇〇くん、このくまさん見て。
楽しいよ~!」と声掛けしても、子どもが鍵に夢中になっている時には、その大人の言葉掛けは楽しさを想像させるものではなく、興味を向ける対象ではないかもしれません。
子どもが今ドアの鍵に興味があるのであれば、まずは大人も一緒に鍵に注目し一緒に遊んでみる、子どもと『楽しい』を一緒に共有しながら、他の物へも興味を広げられるような関わりをしていく事が大切です。

交互にやり取りがある遊びを実施する

例えばキャッチボールなど、大人から子どもへボールを渡し、子どもが大人へボールを返す交互のやり取りを実施することで、ボールの先にある人へも興味がいきやすくなります。

目線を合わせる

物を渡すときには、自分の顔の近くに渡す物を近づけ口元が見えるようにして渡す。

例えば、子どもにくまのぬいぐるみを渡す時に、子どもと目線を合わせずに「はい!」と渡すと、子どもの視界に入りやすい物は『くまのぬいぐるみ人の手』になります。

大人が子どもと目線が合わせられるようにしゃがんで、自分の顔にくまのぬいぐるみを近づけて「くまさんだよ〜」と言いながら渡すと、子どもの視界に入るのは、『くまのぬいぐるみ人の顔』になります。
「くまさんだよ〜」と言いながら渡すことで口元が動き、目は動くものを追いかけるため口元に目がいき、口の動きを自然と子どもは見ることができます。
そこから言葉の理解が増えたり模倣(真似をする)につながり、発語にもつながっていきます。

言葉の発達は個人差が非常に大きく、「どうしてうちの子は〇歳なのに話さないの?、お友達と比べると言葉の発達が遅い気がする」等と不安になる事があると思います。
お子さんの発達に関する不安や疑問について、お気軽にSTにご相談いただけると幸いです。

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