運動ができない・苦手な子に対して「体幹が弱い」「筋力がない」というご相談を受けることがあります。
確かに、お子様によっては身長や体重が同年齢の子たちの平均より低く相対的に筋力が弱いことも考えられます。
しかし、未就学児のような子たちが運動をできるようになるために筋肉モリモリになることより、できる範囲での運動をたくさん経験して自分の身体の傾きや重さ、手足から伝わる体を支える感覚などをたくさん入力してあげてその中で自分の身体の使い方を学ぶことの必要性を普段の療育の中で実感します。
例えば、「体幹が弱い」と言われてる子とバランス系のサーキットを実施した際に確かに取り組み始めはバランスを崩して落下する頻度が多いです。
しかし、反復して取り組んでいる間に自然とバランスの取り方やコースに応じた身体の使い方を自分で経験して、考えているうちに落下する頻度が減ってきます。
もし本当に「筋力」だけの問題だったら、その日のうちに改善することは難しいでしょう。
筋肉は1日でつくものではなく、何ヶ月もトレーニングを重ねて身につくものです。
そのため、繰り返しになりますが、必要なのは「感覚」と「経験」であることが考えられます。
「感覚」と「経験」を遊びの中で子ども達に伝えるためには工夫が必要ですが、「育ち」の運動活動は保育士と専門士(理学療法士や作業療法士)が協力しあって職員1人1人がそのような支援ができるよう日々研鑽しております。